コロニル最古の商品「レザーオイル」
スウェーデンの保革油会社、オルセン社がドイツにて総代理店を探していることを知ったカール・エッセルが志願し合格。50ml容器に入った保革油を仕入れることから事業に乗り出し、駆動ベルト工場からの大量発注を受けるまでに成長しました。やがて、1人での事業が限界を迎えたことから、組織強化のためポールとウォルターのザルツェンブロット兄弟に声をかけ、3人で会社を設立。これが、商品の粘着性を表したフランス語“coller”にヒントを得たネーム“Collonil(コロニル)”というシューケア・レザーケアブランドのはじまりです。これまでのどの商品よりも保湿力のあるコロニルのオイルに消費者は驚き、たちまちヒット。粘りの強いオイルで製靴業界に名を残し、成長への道を歩みだしました。
当時の工場の様子
ポール、ウォルターのザルツェンブロット兄弟が軍隊に徴兵されますが、カール・エッセルは徴兵されなかったため、これまでと変わらず事業を継続しました。軍は隊員のブーツ用に撥水加工を施した商品を至急必要としており、これがコロニルの事業を好転させることとなりました。飛行機設計や製造で有名なCountZeppelin(カウント・ツェッペリン)もコロニルのレザーオイルを絶賛し、飛行機の部品にこれが使用されました。
1918年、ザルツェンブロット兄弟が帰還。レザーオイルだけでなく「目の肥えたお客様のためのシューケア商品」の開発に取り組みはじめます。
当時の販促ポスター
ベルリン郊外のミューレンベックへ移転。新商品「シューポリッシュ」が成功し発展しました。“Shoes want Collonil(靴がコロニルを欲している)”というフレーズのもと、コロニルブランドは徐々に商品が増えていきます。
1929年、創業者の一人であるカール・エッセルが死去。
当時の販促ポスター
悪化する政治情勢でドイツ中が混乱する中、コロニルを新たなステージへと導くため、オーストリア・ウィーンに独自の生産ラインを持った新工場を開設。スキーや登山、ハイキング人気が高いこの国で、コロニルのシューケア・レ ザーケア商品は人気を博しました。
1930年初頭には、スウェードやスムースレザーが、ジャケットやコートなどの衣類に取り入れられるようになり、皮革が靴以外の用途に広く使われるようになりました。コロニルは衣類にも使えるレザーケア商品を開発し、“Collonil for leather clothes(皮革衣料のためのコロニル) – レザーコートやジャケット、スーツのお手入れの必須アイテム”というキャッチフレーズをつけて発売を開始します。
1935年、創業者の一人であるポール・ザルツェンブロットが死去。
第二次世界大戦が始まったころには商品製造が制限される中、シューケア商品から軍事関連用品の生産に切り替えます。戦後、国の分断によりミューレンベックがソ連の統治下に置かれることになり、オーストリア政府に会社を差し押さえられることになりましたが、なんとか所有権を取り戻し、コロニルはオーストリアで高品質なシューケア商品の代名詞となりました。
大人気となった「スウェードレザーボックス」
新たにWalter Salzenbrodt & Co. GmbH(ウォルターザルツェンブロット社)を設立。人々がファッションに新たな関心を寄せ、よりよいものへの憧れがシューケア商品の需要を拡大させる中、改めて工場用地を拡大し、北ベルリンへ移転。新商品開発に専念し、「コンパクト」「スウェードレザーボックス」が大成功を収めます。
当時の販促ポスター
品質と信頼のお手本である“Made in Germany(ドイツ製)”のコロニルは高級志向の流行を見事にとらえ、成功を不動のものとします。ベルリンで作られたレザーケア商品はフランスやデンマーク、オランダでも成功を収めました。
創業者の一人であるウォルター・ザルツェンブロットが引退。息子であるロルフとハンスが事業を引き継ぎ、1952年、Salzenbrodt & Co. KG.(ザルツェンブロット社)へ社名を変更。現在の本社とコロニル製造設備があるベルリンのヴィッテナウ近くに14,000平方メートルの工場用地を購入。
1960年、ウォルター・ザルツェンブロット死去。
いくつかの商品はオーストリアの認定を受け、国の紋章を品質保証印章が与えられ、オーストリア軍隊の軍服に使用することが許されました。
コロニルを使用する山岳隊員
ベルリンで作られたオイル、クリーム、ワックスはどんなに厳しい環境でも皮革を柔らかく、しなやかにするもので、その中でも「スポーツワックス」は登山をする人々に愛用される商品となりました。探検隊のスポンサーと なり、コロニルは商品イメージをより高めていきます。1962年、ドイツ研究所員によるヒマラヤ山脈標高8,125mのナンガ・バルバット山への登頂にスポーツワックスを提供。「厳しい環境の中でも皮革を柔らかく保ち防水効果も得られる」と高く評価されました。
シューケア業界の革命的商品「セルフシャイン」
コロニルの研究開発チームは新たに「セルフシャイン」を生み出します。チューブ状の靴墨の先端に特殊スポンジが付き、塗布時に布やブラシが必要なくなった革命的な商品となりました。「ウォーターストップ(現在のウォーターストップカラーズ)」も発売。様々な色と素材に使用できる商品を取り揃えた専門的ブランドとして、グローバルな市場を獲得しました。
60年代後半に発売されたコロニル・エアゾールシリーズが、かつてないほどの輸出売上高をつくり評判となりました。残留物なく皮革を完璧に保護するという、競合他社にはできなかったことを簡単に成し遂げたこれらの商品は、事実上レザーケアの改革となりました。
エス・アイザックス商会に残る当時の商品
コロニルの国内輸入・発売元である株式会社エス・アイザックス商会との関係がスタートしました。
当時の工場の様子
ムース、リキッドを用いたケア商品とスプレーが市場に大きな影響を与え、コロニルはトレンドセッターや技術的リーダーといえる存在となりました。1991年、ベルリンの壁崩壊。
1998年、フランク・ベッカーが経営者として就任。クラシックシリーズの発売に 取り組みはじめました。
00年代を代表するプレミアムシリーズ
2001年、プレミアムラインを発表。中でも「プレミアムディアマント」は日本でも伝説的なヒット商品となりました。他にもカーケアシリーズやバイクシリーズを発売し、あらゆるニーズに対応するブランドへと成長を遂げました。
2006年、「ナノプロ」をはじめとするナノシリーズ発売開始。現在でも好評を得ています。
革新的高級ケアシリーズ、1909
2009年、100周年を迎えたコロニルは、革新的な高級ケアシリーズを発表しました。この商品群が「1909」と名付けられたのは、これまでの軌跡と豊富なノウハウや最先端テクノロジーと高品質な原材料を忘れずにいるためです。
ほぼすべての商品に付いている品質保全マーク
コロニルは「自社の責任を果たす」というモットーのもとに、環境に有害な成分の使用を最小限に抑え、最大限の効果を発揮する商品をつくり続けながら、2013年、新たにエコロジーマークを作成しました。すべての商品にこのマークがプリントされています。90%が天然成分のオーガニックシリーズを発売。
2013年、ミュンヘンに新しくコロニル物流センターをオープンしました。
シュー&レザーケアを次世代に進める意欲的商品「カーボンプロ」
2017年、ドイツ・スニーカー界の権威であるヒクメット・スガー(スニーカーショップ・Soleboxオーナー)とのコラボレーションによる、カーボンスニーカーラインの製造を開始。日本でもカーボンプロが発売開始となりました。
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