合成皮革のお手入れ方法

合成皮革は本革を模して人工的に作られた素材で、水や汚れの浸み込みに強く、手軽に扱えるのが魅力の素材です。バッグや靴のメイン素材や、本革製品の裏地など、広く使われています。手軽に扱える反面、見た目は似ていても本革とは異なる注意が必要な素材でもあります。
本記事では、合成皮革の基礎知識とお手入れや保管の注意点をご紹介します。

合成皮革の特徴と注意点

合成皮革は、芯となる布地の上にポリウレタンなどの樹脂をコーティングして革の表面のように仕上げた素材です。バッグ等で人気なコーティングキャンバスも、キャンバス地に樹脂をコーティングしてできており注意点やお手入れ方法は合成皮革と同様です。合成皮革の、本革と大きく異なる注意点は主に3つあります。

注意点1:加水分解と経年劣化

本革は定期的に油分を補給して正しく手入れすれば年を経るごとに色ツヤが深まる経年変化(エイジング)をします。

合成皮革は、本革とは逆に表面のウレタン樹脂など合成樹脂に、空気中の水分と結び付いて分解する「加水分解」と呼ばれる劣化(表面のベタつきや、ボロボロと剥がれる現象)や汚れによる分解などによる経年劣化が起こります。合成皮革の寿命を延ばしきれいな状態を保つためには、湿度管理と、こまめな汚れ落としが大切です。

注意点2:油分の吸収と傷の修復

本革はクリームなどの油分を吸収でき、油分補給はお手入れの基本ステップです。合成皮革は油分は吸収せず、塗っても表面に残ってしまうため不要です。

本革は軽い擦り傷ができても、クリーム等油分を擦り込むと革の繊維が油分を吸って膨らみ、擦られて表面のツヤが戻ることにより、ある程度修復が可能です。

合成皮革は、表面の樹脂コーティングが傷・割れ、加水分解による剥がれ等で傷ついた場合、修復できません。

注意点3:伸縮性

本革は部位や動物種、仕上げ方により差はありますが伸縮性を持っています。合成皮革は、若干の伸びはあっても本革のようには伸びず、無理に伸ばそうとすると裂けてしまうため注意が必要です。

ステップ1:馬毛ブラシで日常のホコリを落とし劣化から守る

靴やバッグなどの合成皮革製品を使用した後、まずは「馬毛ブラシ」で表面に付着したホコリやチリを丁寧に払い落とします。ホコリや汚れを付着したまま放置すると分解による劣化を早める原因となります。日常的なお手入れとしては使用後のブラッシングを心掛けることが大切です。

ステップ2:泡クリーナーで汚れをすっきり落とす

ブラッシングで落ちない手垢などによる黒ずみや曇り汚れには、合成皮革にも使用できる、すすぎ不要の泡クリーナー「レザーソープ」が最適です。缶をよく振り、ポリッシングクロスにゴルフボール1個分ほどの泡を取って汚れを落とします。凹凸のある素材や汚れが頑固な場合は、「豚毛ブラシ」に泡を取ってお使いください。クリーニング後は乾拭きをし、滑りがよくなっていれば汚れが落ちた目安となります。

ステップ3:防水スプレーで水や新たな汚れからガードする

表面の樹脂コーティングを水や汚れから守るためには、クリーニング後の防水スプレーが有効です。合成皮革に使う防水スプレーは、革用オイルなどを含まず、本革以外にも使えることがポイント。対象素材が多く、持続力に優れた保護膜を形成する「カーボンプロ」や、速乾性でUVプロテクション成分配合の「ウォーターストップ」がおすすめです。製品から20cmほど離して全体にまんべんなく、表面が軽く湿る程度に吹き付け、完全に乾いた後にポリッシングクロスで乾拭きして仕上げます。

ステップ4:通気性・湿度に注意した保管で「加水分解」を防ぐ

合成皮革を長持ちさせるために、汚れの管理とともに最も重要になるのが「保管環境」です。合成皮革の樹脂コーティングは湿気に弱いため、ビニール袋や通気性の悪い箱の中、押入れの奥などで保管すると加水分解が急速に進行してしまいます。

お手入れ後は、高温多湿を避けた風通しの良い暗所で保管してください。できるだけ、他のバッグなどとは接しないように保管します。長く使わない時は、定期的に取り出して様子を見て、風に当てるとよいでしょう。

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