革製品のカビ予防と対処方法
大切に保管していたレザーバッグや革靴、取り出してみたらカビが生えていて驚いた経験はないでしょうか。空気中に常にカビは存在しており、カビの生育条件「温度・湿度・栄養(皮脂や汚れ)」の3つが揃うことでカビは生えます。多湿な日本の気候は、欧米に比べ革製品にカビの生えやすい環境と言えるでしょう。
本記事では、カビが生えてしまった場合の正しい対処手順と、カビを未然に防ぐための保管・予防方法を詳しく解説します。「カビてしまったから捨てなくては」となる前に対処可能か見てみましょう。
ステップ1:カビの除去は使い捨てできる布・ブラシと専用クリーナーで
カビを発見したら、まずはカビを落とす作業から始めます。この際、通常のお手入れに使うブラシやクロスは絶対に使用しないでください。ブラシや布にカビの胞子が残り、他の製品にカビを移してしまう恐れがあります。必ず、使い捨てにできる古い布の切れ端や不要になった歯ブラシなどをご用意ください。作業は新聞紙などを敷いた上で行いましょう。
カビ落としには、カビの除去に有効なスプレータイプの溶剤クリーナー「ライニガー」を使用します。使い捨ての布にライニガーのノズルを接してしっかりと吹き付け、カビを丁寧に拭き取ります。縫い目などの凹凸がある箇所は、ライニガーを吹き付けた歯ブラシを使ってカビをかき出してください。使用した布や歯ブラシは、作業後に必ず破棄しましょう。
ステップ2:防水スプレーで湿気と新たな汚れから守る
カビを拭き取り、製品がしっかりと乾いたら、防水スプレーで保護します。「ウォーターストップ」などの防水スプレーを全体にまんべんなく吹き付けることで、水や汚れ、そしてカビの原因となる余分な「湿気」から製品を守ります。表面が軽く湿る程度にムラなくスプレーし、乾いた後に清潔なポリッシングクロスで乾拭きをして仕上げます。
ステップ3:クリーナーで失われた油分を補給する
カビを除去するために使ったライニガーは、汚れやカビを落とすと同時に革の油分も奪ってしまいます。クリーニングと防水が終わったら、最後にクリームで油分を補給しましょう。「ウォーターストップカラーズ」や「1909シュプリームクリームデラックス」などのクリームを塗布し、革に栄養を与えます。
カビが革に付着していた期間が長い場合、カビ自体を除去できてもカビにより革が分解され、革の表面に跡や色抜けが残ってしまうことがあります。この跡をクリーナーで消すことはできないため、革の色に合った色のクリームで補色します。
カビを未然に防ぐための保管方法と予防ケア
カビを一度落としても、同じ環境に保管していれば再発の可能性は高くなります。カビを防ぐためには、湿度の少ない保管環境を維持することが何より重要です。クローゼットや押入れの奥など、空気が動かない場所での長期間の保管は避け、定期的に外に出して風通しの良い日陰で干すようにしましょう。
また、革表面に付着したホコリや手垢はカビの「栄養」になります。革製品の使用後は、馬毛ブラシでホコリを落とし、定期的にクリーナーで汚れを落とすことも、カビ予防に繋がります。
カビのケアは早めが大切
革はタンパク質でできており、手垢やホコリがカビの栄養になるのと同様に、革もカビの栄養分として分解されてしまう危険があります。革の表面に付着したカビを放置すると、カビを除去しても跡や色抜けが残ってしまうのは、カビが革を分解してしまうためで、この跡はクリーナーで落とすことは残念ながらできません。そのため、カビは生やさないこと、生えてしまったら少しでも早く落とすことが重要です。仕舞った革製品は湿気予防を兼ねて定期的に様子を見るようにしましょう。
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